冬の秋晴れと春眠
[フユノアキバレトシュンミン]







すごくすごく澄んだ空。



秋晴れ?もう冬だ。



冬は冬晴れって言うんでしょうかね。



言わないですか。



観月はそう隣りで惰眠を貪る人物に声をかける。



寒いのか、たまに身をよじる姿をみつめながら。



もちろん返答があるわけもなく。



隣りで眠る赤澤は柔らかく太陽の光に輝く髪を有して



少し寝返りを打った。



コツンと赤澤の額が観月の肩に当たる。



すこしだけソコが温かくて観月は微笑む。



紙飛行機とか飛ばせそうな空ですよね。



なんとなく、観月はそう思う。



高い高い空に、すうっと空を切り裂くように紙飛行機を飛ばして。



ね、と同意を求めても



愛しいその人はまだ深い眠りの中。



頬に触れても起きる気配はない。



いつもは、自分のほうが先に寝てしまうし、赤澤が人前で寝るのは授業中くらいだから



クラスの違う観月は寝顔なんて見れない。



赤澤・・・と包み込むように呼ぶ。



ゆっくりと甘い唇にそっと自らのソレを重ねて



そうしたら。

みづき・・・・。

そう舌足らずで赤い唇が動く。



すごくすごくすきだと。



何故だか実感した。



吹く風や、降り注ぐ太陽と揺れる光に、愛しい貴方。



すごくすごく全部。



誰が誰にとか



どこがどういう風にとか



そう理屈ではなくて。



愛してます。



そっと囁く。



「すき」と、どう違うんですかね。と疑問に思ってから。



遠くからやってくる騒音にそろそろ彼を起こそうと腰をあげた。






冬の張り詰める気温の中で



赤澤の頬は少しだけ、すごく少しだけ。



赤くなっていた気がした。



はずかしいヤツと、小さく呟いて



赤澤はいつから起きていた事にするか。



いままで寝ていたことにしてしまおうか。



届きそうにないくらい高い空とにらみ合った。







END