少し三渋っぽいかもしれませんので注意。書いている本人は渋三のつもりです・が……。


【誰よりも僕が君を思うよ。】




お約束の平手打ちでさようなら。
イマドキ月9でも珍しい別れ方をしてきた渋沢に俺は大爆笑した。
正直、ラッキーって思ったんだ。それはヒミツで。だって渋沢は俺が渋沢のこと好きだって知らない。
(…………ゃ、知られても困るんですけど。)
そうしたら滅多に見られない渋沢の本気の睨みがやってきて、俺は素直に「わり」と謝った。
渋沢の彼女、いや「元」彼女は俺が言うのも何だけど結構可愛かった。清純派ってかんじで。
…ああ、だから渋沢には合わなかったのかもしれない。
「別れた?」
俺はノートパソコンを畳みながら恐る恐る聞いた。直球勝負だな自分。でもどう聞けってよ。
そうしたら渋沢の背中がピクリと反応した。聞くなよと、うめく。
渋沢の女めぐりは意外と早い。そして大体渋沢は振られてしまう。「こんな人だと思わなかった。」彼女達は口を揃えて言う。
物腰が柔らかく、爽やかな顔と、やたらでかい身長と、あのサッカー部のキャプテンという名目で渋沢は異常にモテる。絶対に顔は俺のほうが整ってるけど、女は渋沢ぐらいの顔がいいらしい。
という訳でよく愛の告白をされるものの、意外とずぼらな性格や、超絶に音痴で世間知らずなところとかに愛想をつかされて振られるのがパターン。
今回もそのパターンだろう。
「今度は何した?」
確かこの前はカラオケ行ったらお前がガッチャマン(しかも真顔で)を熱唱した所為だったよな。
出来るだけ優しく聞いてやると、渋沢はため息混じりにこう答えた。
「………誕生日まちがえた…。」
そら、振られるわ。
「…最悪。」
女は気にするんだぜそういうの。
俺はウチの母親の誕生日を忘れて怒鳴り散らされていた父親の姿を思いながらそう告げた。
親に怒られた子供みたいに膝を抱えている渋沢は、少し可愛いかもしれない。
でも…と言い訳がましく渋沢が言う。
「でも、いちいち誕生日なんて覚えられない…。」
「じゃ、俺の誕生日は?」
「1月22日?」
疑問系だけどしっかり俺の誕生日を覚えていた渋沢に俺はかなり嬉しくなる。
少なくとも俺は、女子棟の三年生の……名前は忘れたが、ちょっと可愛いあの子よりは、渋沢の脳内にインプットされているんだ。
ざまあみろ。心の中で舌を出す。
「……せぇかい。」
満面の笑みで渋沢の頭を撫でた。色素が薄く柔らかい。
すると、渋沢は何故か恨みがましく俺を睨んだ。お門違いだ。振られたのはこいつ自身のせい。
「何も殴らなくてもいいと思う。」
そらそうだけど。左の頬がすこしだけ赤くはれている。ああ、女に叩かれたのは初めてかもしれないな。
じっと、渋沢の顔を確認して
「大していい顔でもないのに。」
と言ってやった。撫でていた手を頬に滑らせてひっぱる。堅いな。えろくないんだ、つまらない。
「みぃふぁみっ」
いやいや、言えてないから。でも、引っ張った頬が少し赤く腫れ上がったので優しく摩った。これ以上頬がはれたらお多福風邪に間違われかねない。
「ははは、かわいそうに。」
本当に、可哀想。でも可哀想なのは俺だ。ちくしょう。
渋沢の頬を持ったまま俺は黙ってしまった。ああ、何か言わなきゃ変だと思われる。必死で言葉を探したけど中々出てこない。
このまま渋沢に彼女が出来なきゃいいのに。そうしたならずっと、渋沢を占領できる。…って何考えてるんですかね三上君。

ただ君を好きなだけで、こんなに切なくなれるんだ。


FIN

みっじけ!!(今更。)

渋三ですよね!?このサイト渋三ですよね!!(最終確認)渋三ストですよ僕は!!
……渋三なんです。信じてください。
いくらネタのためとはいえ、大好きな渋沢をここまで落とせる自分に乾杯。