世界のどこかに存在する。





界のどこかにある僕という容れ物にはやく僕が出会えばいい。


このゆるやかで正直で棘だらけの日常を這い出してはやくきちんとした容器が必要だと思う。






あなたが伸ばした腕に縋りつくのではなくて、と僕が言ったらあなたは寂しそうに「そうれはそうだな」と笑った。


それから「みつかるといいな」とも笑う。


あなたはちっともわかってやしない、誰か僕を遠くにやってください。


今まで僕らが生きている世界は憂鬱で退屈で総てだった。


きっと今から僕が生きてゆく世界も同じなんだろう。


だから早くきちんとした容器に逃げてしまいたいんだ、逃走用じゃない出来もしない逃避行のために。


笑って騒いで泣いて傷つくのに疲れてしまったから、本当はあなたの腕にすがっても構わないんだけれど


「死海とか日本海のずっとずっと深くに埋まっていて核戦争なんか起きなきゃ掘り返されないようなところにきっと」


きっとその僕という容れ物があるんだ。


だからそれまではあなたが変わりにそばにいればいいのか、と笑うとあなたはなんだか困った顔で「うん」と言った。




世界のどこかにあるという哀しい僕に捧げます。


僕は今ある程度それなりに楽しくやっているので、もうしばらくしたら逢いに来てください。







FIN



なんじゃこりゃ(笑)